峠越え物語【第2話】ぶどう色にはキハ82で

前回の記事で、ED42を彷彿とさせるぶどう色と書いていましたが、往時の写真は、やはりED42のものが多いようです。ブルーの標準色ともお似合いのようですが、それは3次形が発売されてからのお楽しみということで、史実では短い間だったかも知れませんが、EF63が務めた姿を胸に作成したキハ82の製作について記事にしました。

塗分けと3Dモデリング

キハ58はもとより、583系、181系と随分悩んできた塗分けですが、大まかな塗分けは、マスキング用治具を作成して、ある程度安定してきました。しかし、特急のヒゲは難物で、マスキングのことを考えると、それだけで製作意欲が萎えていました。

そこで今回はヒゲの部分を造形し、少しでも塗装しやすくすっきり仕上げることを目標にしてみました。

ヒゲ部分は、設計上0.1mm浮かせました。もっと大きな方が塗装には楽なのですが、票差しが0.2mmの表現ですから、目立ちすぎてしまいます。大きなスケールでは全然気にならないところですが、Zゲージでは0.1mmでも大きなものになってしまいます。

実際は0.1mmだとうまく造形できないかもしれないという不安がありましたが、悩んで解決するわけでは無し、なくなちゃったらガチでマスキングすればいいかなと挑んだ部分です。造形の結果はまずまずだったので、あとは塗装で勝負ってことで自分との闘いですね。

さて、今回もう一つ挑んだのは窓ガラスで、フロントウィンドウのガラス押えと貫通扉窓のHゴムをガラス側に入れてみました。ここはうまく塗れるかにかかってきますが、自らのウデを信じての挑戦です。

他の部分はこれまで設計してきたものを自分でレビュウして手直ししていきました。クーラーの形状を見直したことと、食堂車のドアやルーバー周りを見直ししました。

キハ181系と違って鮮明な写真も少なく、手持ちの鉄道ファンやらなんやらとにらめっこしながら形を決めていきます。

捨てサフ後と磨き

造形後はいつもどおりで、超音波洗浄、歯ブラシを使ったコンパウンド磨き後、シンナーで洗浄してざっとプライマーサーフェサーを吹き付け、ペーパーがけです。今回は600番をメインに使用しましたが磨きが少し足らなかったようで、400番でざっと積層を取ってから600番をかけた方が良いようです。

今回はほとんど水研ぎで仕上げていきました。

結構積層痕は目立ちます。アクリル造形は細かい部分も良く出ますが、平面部の仕上げは相変わらず気を使う部分です。

ペーパーがけ後、中性洗剤で洗った後にプライマーサーフェサーを吹きました。

ヒゲの部分は直線部をなるべく出していくようにペーパーがけしました。キハ82はヒゲの端が揃っているので、考えながらかけていけば大丈夫でしたが、塗らないと分からない部分もあります。

塗りあがりをみれば分かりますが、ヒゲの間の隙間の溝が結構荒れたままでした。ここはペーパーが入らない部分なので、コンパウンド磨きでもう少し丁寧に磨いた方が良かったかもしれません。

ただ、あまり磨きすぎると角が落ちてしまい、塗装がしにくくなりますので、ナイフなどで溝になっている部分をさらった方がいいかも知れませんね。今後いろいろやってみるしかなさそうです。

塗装と仕上げ

今回は仕上げのエンドが決まっていたので、早々に塗装に入りました。というのも、塗料にジェイズの缶スプレーを使いますので、少なくとも中2日を置かないとマスキングで失敗するからです。

症状としては、マスキングテープと一緒に塗装が剥げてしまうのです。原因はいくつかありますが、アクリル造形のサポート材に使用されるワックスの残り、プライマーサーフェサーのかけ漏れや未乾燥部分、ジェイズ塗料の未乾燥部分が、いまのところ把握しているものです。

ワックス分はコンパウンドでの物理的なものとシンナーでの溶解、水洗い後はよく乾燥させる、プライマーサーフェサーは全体にまんべんなく塗って充分乾燥させる、ジェイズ塗料も塗り重ねが進むにつれて置く日数を多めにとる、これを手順にしています。キハ58の時は結構あちこちが剥げてメゲましたが、最近はこれで失敗なしできています。

前述のとおり今回は塗装に充分時間をかけました。そして、乾いたところで窓ガラスの組付け、下回りの組付けを行います。

今回はガラスのはめ込みがありましたので、こちらも乾燥に1日置きました。使用したのは水性ゴム系の「ハイグレード模型用セメダイン」です。透明ですが、浸透がよく、狭い部分にもうまく入り込んでくれます。

先頭車のキハ82は、あちこちにエナメルで色差しをし、最後にガラスとヘッドマークを接着しました。

特急シンボルに金色を入れ忘れてますね。ちっこいですが、後でこっそり入れますかw

ひとまず完成へ

時間があれば、JNRマークやヘッドマークも準備したかったのですが、まだ機材の試用が終わっていないので、こちらもこれからといったところですか。

という訳で、6両なんとか仕上げてみましたので、集合写真おば。

今回の塗装で一番うまくいったのは、屋根のシルバーかもしれません。一度砂吹きをし、乾燥具合をみながら3回吹き付けました。塗料はタミヤの缶スプレー、アルミシルバーです。

ということで、お約束のコインとのショットなど。

今回のおまとめ

ここで、以前試作したキハ181系とも並べてみます。

造形素材の違いがあるのでかなり見劣りしますが、181系は2018年のOsakaZdayに持ち込んだものです。4年も経ったんですねえ、早いものです。

あれから随分手法や寸法、考え方などが変わりました。当時は、窓ガラスをどうすればいいかがなによりの課題でしたし、設計したものがうまく形になるか、塗装はうまくいくか、自分の中でも多くの課題がありました。

とりあえずヒゲがマシになったのが嬉しいかな。今回の仕上げを踏まえて、キハ181系も取り組んでいく予定です。

やや!?82系、181系といえば、後ろから押されるではなく、前から引っ張ってもらっていた峠があったゾ。なにやらシリーズ展開の予感w

ところで、お題のEF63と仲良く碓氷峠を昇り降りしていた頃って、ひょっとしたらクーラー2台の初期型が良かったのかもしれません。実は今回作った3個クーラーの他にも、設計上はバリエーションがあります。

左側の初期型がそれです。私は3個クーラーよりもスマートに見えるこちらの方が好みだったりします。

ライト周りも図形チェックのものを載せていますが、単独で走らせるならライトは点けたいので、ひょっとしたら見直すかも知れないので、その時に初期型も作ってみましょうかね。他にも仕上げたいものがありますので、ちょっと先になるかも知れませんケド。

さて、第3話では、EF62について記事を書ければと思っています。まだED62なのですがw

それでは、また。

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