峠越え物語【第6話】別の峠に色気を出す

EF62やDF50の動力周りですが、何もせずに考えるのは性に合わないので、以前シリーズ展開とか書いていましたが、板谷峠を最初は単独で駆け抜けたキハ181系を設計しながら考えることにしました。仕様的にはキハ82系と同様なのですが、ラジエター見直しやら少し前に修正した部分の確認を中心に記事にしました。

キハ181系はラジエター周りの処理に課題が多く、良い解決がないかとこれまでナイロン造形で挑んできましたが、キハ82を作ってなんだか吹っ切れたものがありましたので、アクリル造形に向けて細かい部分まで見直しをかけます。

ちなみに、キハ82系の記事は以下のリンクから、ナイロン造形のキハ181系は「キハ181」で記事検索されてからどうぞ。

参照リンク:
峠越え物語【第2話】ぶどう色にはキハ82で

まずは顔周りから

キハ82でパノラミック窓がうまくいきましたので、同様に変更です。塗分け線もなんとかシャープに仕上がりましたので、国鉄仕様としてヒゲの塗分けも追加していきます。

塗分けモールドの厚みは0.1mmです。アクリル造形だと0.1mmでもしっかりと造形していけるので、表現の幅が広がります。

1枚目の写真を見ると、なんとなく塗分けが変更になった車両が恋しくなりますので、塗分けなしも試作の方向で。ボディ周りは後期をベースにデザインしていきました。

課題のほとんどは、これw

キハ181系とくれば、屋根上のラジエターなのですが、Zゲージくらいの大きさになるととっても辛いものがあります。これまでもナイロン造形やアクリル造形でトライしてきましたが、いずれも満足できず、ラジエターの縞々(設計上、私はラジエターのフィンをこう呼んでいる)を無くしてツルぺにしていこうかと考えていました。

初期と書かれているものはナイロン造形で試したもので、ナイロン造形だと細かい部分が出ないため、目立つように先を尖らした設計にしましたが、逆に尖った部分の造形が不十分で、仕上がりはとってもイマイチでした。

うーん、とってもイマイチ。途中で記事を投げ出したくなるのをこらえ、ヨンサントオ記念としてなんとか形にしたんですけどねえ。

しかし、つるぺとなると少しもの足らないのは分かっています。今回はアクリル造形でいくので、ボディとの差は歴然。

再度しましま有りにトライしてみることにしました。設計の様子はこちら。

山と谷、セットのピッチを0.3mmとし、先がつぶれないように幅をある程度確保した内容です。ピッチを変えたことで縁の寸法取りが変わりましたので、位置も微妙に再調整しました。

設計的には、このラジエターを支えるボディ側の短いステー部分を追加すれば完了ですが、問題はこの先です。このラジエターをボディ一体とするか、これまでと同じく別パーツにするかを決めていきます。

どちらも一長一短で、ボディ一体だと強度や位置の精度が確保できますが、塗分けのマスキングにかなり悩みそうです。反面、別パーツにした方が塗分けが楽でシャープな仕上がりが期待できますが、ラジエターの厚みが1mmちょっとしかないので、別パーツにすると強度に不安があり、表面処理や塗装にかなり気を遣う必要があるのと、ボディへの組付けがかなり神経質なものとなりそうです。

追って検討は進めますが、悩んでばかりいても仕方がないので、両方作ってみて結論を出すかもしれません。最終的には、6両編成として先頭車2両と食堂車を除く3両について、工作上の手間で決めることになります。

つまり、マスキングで苦労するかラジエターの下地や組付けで苦労するかという点で、どちらが工作的に楽に確実に仕上げることができるかという判断になりますか。まあ、工作にかける手間は人それぞれなので、私がやりやすい方ということになるんでしょうね。

残るボディ周りの課題

これまでナイロンモデルで作成してきたことにも絡むのですが、オハ12系で挑み切れなかった、ドア折戸のHゴム表現をどうするかも今回挑んでいきます。要は窓ガラスパーツにHゴムを含めて表現してみます。

窓ガラスパーツの透明度をある程度確保できたことと、キハ82のヘッドマーク部でシルバーの縁取りがうまくいったことが要因です。縁取りはEF62やキハ58でHゴムの色差しがイマイチだったことと、オハ12系ではあまりにボディ側の色差しが面倒なため省略したことの反省を踏まえてのことです。

窓ガラスの透明度確保の過去記事
窓ガラス挑戦倶楽部【8枚目】正解発見!?ユニット窓仕上げてみた

キハ82の先頭部仕上げ状態の過去記事
峠越え物語【第2話】ぶどう色にはキハ82で

ということで、早速図面とにらめっこです。

Hゴム部の切り離しは設計上難なくできるのですが、問題はHゴムに挟まれる折戸の中心部分です。上の「ドア部分の余裕」にあるとおり、ここは0.6mmしか幅がありません。

窓ガラスの組付け用の遊びは、片面0.075mmでとってきていますので、挟まれた部分は0.45mmとなります。ここはさすがのShapewaysでも嫌がられるかもしれません。

ガイドライン上は、両端が接続されている面の最小厚みは0.3mmとなっていますので、数字だけではうまくいきそうですが、以前の造形依頼ではテクニカルチェックで「あくまで部分的には可能という意味で、どこまでもこの幅の長さで造形を保証する意味ではない」とお叱りを受けたので、今回挑んでみて怒られてしまったら、ドアの厚みを増やすなどの手を使ってリトライするしかなさそうです。

ドアの厚みが足らない場合は、工作が面倒になりますが、窓幅のスプルーを追加するなどの対策を考えています。これがうまくいけば、前述のオハ12系、キハ65のドアにも応用していけますね。

うーん、アクリル造形を前提としたモデリングには終わりがありませんね。ここはギリギリを攻めていくしかなさそうです。

下回りとカプラーについて

下回りでこれまで苦労したのは、走行用エンジンのマフラーをシルバーに塗るところです。ここはオハ12系のマスキングでかなり慣れ、別パーツにすることは考えずにいきます。

台車はカプラーポケット無し、カプラーポケットはオハ12同様にボディマウントの仕様ですが、カプラーポケットをボディに取り付けるのがかなり面倒なので、再度眺め直し、少し変えるかもしれません。この辺りは、まだ試行錯誤の段階ですので、さっさと固めたいと思っています。

この辺は他の車両の設計にも関わる部分で、どっちでいくかを決めていくと、今後の設計にかける時間が変わってきます。Zゲージ車両の設計全般に関することに悩むよりも、車両のデザインに悩む方にたくさん時間をかけたいからです。

機関車に関しては、ロクハン製品の流用でなんとかなりそうなのですが、気動車や客車となると、そうはいかない部分ですしね。キハ82系は、ショーティ用シャーシの台車が似ているので、黒く塗ればあまり目立ちませんでしたが、キハ181系となると、そうはいきませんし。

と言っても、キハ82がこのままで良いとは思っていないので、とにかく良い方法を探すことが、私の中では急がれます。

今回のおまとめ

工作にはまだ入っていないので、あまりまとめることもないのですが、ヘッドマーク部やドアのHゴムなどが未設計で、設計途中の内容になっています。設計終了が早いかどうかにもなりますが、キハ181系はモハ185系との同時発注車両に今のところノミネートしています。

さて、キハ181系と峠と言えばEF71ですね。ED75のボディシェルがあれば、EF81を使えばなんとかなりそうです。

EF71とくればED78。ED78はEF210を使えそうですし、ED78とくればED76、なんて、峠を追いかけることを糸口に一気に色々作りたくなってしまいます。とりあえずモハ185系は今月造形依頼の予定なので、まずは碓氷峠ですね。

次に挑むのは板谷峠かな?と、峠巡りのウエーブが止みそうにありません。まったく困ったものです。

冒頭でも述べましたEF62で良いアイデアが出れば、次にギアボックスを弄ってみたいのは、DF50あたりでしょうか。昼の仕事があるので、まったく時間が足りないのですが、工夫してなんとか時間を捻出するしかないですなw

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