峠越え物語【第4話】EF62の仕上げ

前回に続き、EF62を塗装し、細部の仕上げに入ります。今回は記事の最後にオマケ付きです。

前回記事:
http://峠越え物語第3話峠越え物語【第3話】EF63僚機EF62に登る

ボディ塗装と仕上げの準備

EF62ボディの塗装ですが、青15号、クリームともにジェイズカラースプレーを使用し、屋根のFRP部分については悩んだ末にクレオスカラースプレーのキャラクターフレッシュを使用しました。ジェイズの塗料は食いつきが悪い時があり、メーカーのFAQを見ても最短数日乾燥する必要があるとのことでしたので、お天気との相談はありますが、予め中日と予備日を決めて塗装に入りました。

今回塗る色は3色ありますが、塗装の日程からいくと、1色乾燥する時間が取れませんでした。通常は明るい色から乗せていくのですが、日程を考えてやむなく面積の広い青から乗せることにしました。

第2エンド側、屋根やフロント部分は目立つ積層痕もなく、ルーバー部分もつぶれずにいけましたが、サイドはサポート材の跡が広い縞になってしまいました。これはサポート材が付く際の表面の荒れにより対応が難しく、平滑に仕上げようとした分磨きすぎてしまったようです。

プライマーサーフェサー(以下、「プラサフ」といいます。)が乗ればある程度状態は分かるのですが、いつまで経っても面が出なかった様子なので、念を入れ過ぎました。通常こういった個所は、再度プラサフを吹き、平滑に仕上げていくのですが、スプレーだと軽く乗せたり部分的に乗せたりするのが難しく、ルーバー部分が埋まってしまうのを気にしすぎてプラサフを吹き付ける量を控えめにしたことも原因のひとつと思います。

サイドの写真は目立つように撮っているということもありますが、今後の戒めとして、何か手を考えます。前回毛羽立ちの原因となるボディ肩の明かり窓の作り方と記事に書きましたが、それも解決策の一つです。

ジェイズは乾燥が遅い反面発色がいいので、明るいクリームを後回しにしましたが、結果的には全体的に残念な結果になりました。白サフを吹く手もあったのですが、乾燥時間が取れないと判断し、そのまま塗ってみました。

色を乗せる順番がどこに影響するかということですが、マスキングです。これまで塗装の剥げは、マスキングテープによりやらかしてきましたので、乾燥時間を優先させました。

前面や屋根などマスキングが複雑な形になると一層マスキングテープを密着させることになり、下色の乾燥が甘かった場合を想定してのことです。まあ、遠目から見れば、発色もサイドの艶の違いもこんなものかという感じですが、屋根は目立つ個所なので、もう少し考えれば良かったですね。

ちなみに、屋根の塗分けは、後日スプレーをカップに移し、クレオスの薄め液で緩めたものを使って修正タッチアップを行いました。スプレーの塗料を取り出すのがなかなか難しく、かなり手に色を吹いてしまいました。

屋根の塗分けが難易度が高かったため、FRP部分がとても残念で、タッチアップも満足がいくようにはいきませんでした。ここは別パーツにするかをマスキングの難易度と比較して決めたいと思います。

さて、塗装が乾く間をみて窓ガラスを準備します。窓ガラスは定番の水性プレミアムコートを吹き付けますが、前面窓には窓押さえがありますので、ここは筆塗りするか悩んだ末、スプレーでシルバーを吹き付けました。

ところがこれが裏目に出てしまい、シルバーを吹き付けるためにマスキングをしたところ、マスキングテープを剥がす際に窓が割れました。超ショーック!

キハ82の貫通窓は筆塗りでしたが、この結果を見ると、次回からは吹き付けではなく自分のウデを信じて筆塗りで仕上げていこうと思いました。

なかなか反省点の多いボディ周りでした。う~ん、勉強になるなあ(遠い目)。

下回りの組付け準備

ボディ仕上げの準備の傍ら、下回りの組付け準備に入ります。まずは、台車の組み上げです。

組み上げの順番は、次のとおりです。

  1. 集電板を台車に差し込む
  2. 車輪を入れる
  3. ギアボックスと台車を組付け

書いてみるとこんなもんですが、やるのはけっこうイヤな汗をかきます。集電板を台車に入れた後、車輪を入れるのにちょっと緊張します。台車を広げすぎると台車が割れてしまうので、片側ずつ慎重に入れていく必要があります。

ここは見越して台車の造形方向や厚みについて、考慮して設計していますが、厚みがあるとちょっと力が要りますし、広げないと入りませんから、初めて組付けるのは緊張するものです。片側組付けてしまえば大体の要領が掴めますから、2つ目はあまり苦労しませんでした。

ギアボックスと台車の組付けは、集電板を少し広げて真っすぐに差し込めば入ってくれますので、台車やギアボックスの採寸と設計がうまくいっていれば心配いらない部分になります。まあでも最初は緊張するもんですがw

今回はEF66のギアボックスをそのまま使いますのであまり写真は残していません。今後ここを3軸にすることになるので、これから設計を進める際に、よく考える必要がありますね。

台車が組あがったところで、次はシャーシの加工です。EF66の床下には少し機器がありますが、これと台車が当たるので、ここを切除します。

小さな部分ではありますが、けっこう頑丈なパーツですので、ニッパーで切り落としました。これで元のEF66に戻れなくなっちゃいます。ナムサン。

続いて台車を取り付け、EF62の床下機器になりますが、これが前回述べたとおりガバガバw どうすっぺ。

今回はイベントに合わせて仕上げてきていますので、悩んだ挙句、両面テープで止めることにしました。やれやれ、焦るとろくでもないことになるもんです。

続いて、シャーシにスカートを取り付けます。スカートは車体長が違うため、そのままでは付きません。シャーシの先端部を伸ばす感じで別パーツを新たに作りました。

EF66に付いてるスカートを採寸し、同じように付くパーツを設計しました。しかし、シャーシの採寸を間違っていたため(寸法の読み違いw)、そのままではボディに収まってくれませんので、内側を削って現物合わせです。

EF66のスカートは柔らかい素材で、広げて組付けるようになっていますが、アクリルは硬く、無理するとすぐに割れるので、見た目は似てますが、厚みを薄くし、長さを詰め、裏にはシャーシと当たらないように溝を切って嵌めやすくしています。カプラーポケット部は、DF50で作成していたものを元に、再度EF66のものを採寸してアレンジしたものを使いました。

さて、これで下回りもなんとか組み上がりましたので、ボディの仕上げと合体です。

ボディの仕上げと組付け

まずは、窓ガラスを組付けます。割れた側もありましたが、愛用の接着剤、「ハイグレード模型用セメダイン」で染み込ませるように接着。

この接着剤は水性のゴム系で、水で拭き取ることもできます。最近KATOからも良い接着剤が出たようで、そちらは乾燥前が白なので使いやすいかもですね。すでに細かい色差しを終えていますが、避雷器はGMカラーのねずみ、Hゴムはエナメルです。

次にヘッドライトです。EF66には点灯ユニットが付いていますので、樹脂ファイバーで光らせます。

この樹脂ファイバーですが、Amazonで購入したもので、2mのものが10本入ってました。多分、一生かかっても使いきれんでしょうなw

曲げ加工後、うまく光るか不安でしたが大丈夫でした。位置決め後、窓ガラスに使用した接着剤をつまようじで隙間に流し、マスキングテープで乾燥を待ちました。夜作業を行ったので、翌日乾燥を確認後、ニッパーで適当な長さに切りそろえました。

ライトの光漏れ対策は、ボディとファイバーの間に黒い紙を挟み込みました。ここは現物合わせです。だんだん仕上がってきましたが、あとはパンタグラフを取り付けます。

パンタグラフはED75と同じ内容で設計し、EF66のものを予定していたのですが、板バネ付きで足の入る穴が必要なため付かず…。EF65のものを使用しました。

ここまできたら、下回りと組み合わせます。少しシャーシが浮き気味で、屋根モニターの仕切り部分がシャーシに当たっているようです。

どうもモーターケースが当たるようなので、カッターナイフで少し削り、なんとか収まってくれました。

早速走らせてみましたが、走りは好調、ヘッドライトも無事に光ります。ただ、光漏れがあり、運転席も明るく灯されてしまってます。

今回は紙で遮光しましたが、ここはパーツ化して黒なり黄緑なりで塗装した方がいいですね。まあ、窓はデフロスタ表現したせいでガラスがイマイチのため中は見えませんが、横のガラスからは結構見えますので、なんか考えましょうか。

という訳で、この状態でBaden谷九のOsakaZday2022に持ち込みました。ライブでも話していましたが、実はED62?というw

下回りの感じです。

横からみると確かに動輪は足りません。しかし、レールに置くとまず目立ちませんが、どうでしょう(←私だけかw)。

ひとまず形で走るようになりましたし、仮竣工ということで。

写真撮ってみる

まあ、形になって色がつけば、それなりの存在感もあるわけで。第1話でEF63と写真は撮っていますが、単品でも色々撮ってみます。

サイドの具合がよろしい。こいつは早く3軸にしないと可哀相か。

正面は塗分けがうまくないけど、なんとかEF62に見えるか?正面だけで機関車は語れないとは思うけど、あおってみたらいいかも。

ドアストッパーがそれなりの主張してるのが少し嬉しいかも。あと、ボディはやはり少し浮いてるかな。

スカートのジャンパ栓は、第1エンドと第2エンドで変えてるんだけど、この大きさの現物は、もはやどうでもいいほどちっちゃいw Hゴムは塗料が乗りきっていないため、ちょっと印象が薄いか。

当初Hゴムはボディ側が良いかと考えてたんだけど、上のキハ82のものを見ると、窓ガラス側に表現した方がしまりがあっていいかもです。と、いろいろダメ出しもしてみますが、EF62としてしばらく遊べそうです。

EF63とのコンビで欲しくなる車両もありますね。貨物列車でくっついてた車掌車、ヨ3500とか。

そういえばヨは上回り設計終わってたような…。手持ちの貨車バラシて下回りにしてみてもいいかも知れません。

あと、EF62単独で平地を走ってた列車も再現したいところです。既にロクハンから発売済みの14系と連結してみました。

夜行急行の能登や妙高って感じです。14系の寝台車、スハネフが1両、できればあとオハネが2両あれば、実物どおりの編成になりますね。

と言っても今はないので、24系で代用するってのも雰囲気でいいかもです。そういえば、14系寝台車も設計まで終わっていましたので、これを機に作るのも手です。

峠にこだわらなければ、フロントをちょこっといじって、在りし日の東海道本線を走り回っていた貨物列車ってのもいいですね。手軽な編成で楽しめそうです。

20系を牽かせて、実現しなかった銀河の先頭に立たせるのも夢があっていい。短命とはいえ、いろいろ妄想が広がるカマです。

さて、あとは下回りということになりますが、いいアイデアが浮かぶまではこのまま楽しみます。下回りを設計するときに、モニター分割、FRP明かり窓も検討するとしましょう。

今回のおまとめ

なんとか形にはなりましたが、課題がいくつか。

  • 屋根上機器の分割とFRP明かり窓の処理を検討
  • シャーシの再採寸によるスカート部分の再設計
  • シャーシとボディの当たり部分を再チェック
  • 前面窓ガラスのHゴムを窓ガラスと一体化
  • ヘッドライト光漏れ対策の検討
  • 床下機器の設計を手直し
  • イレギュラーな塗装の手順を是正
  • なにより台車の3軸化

というか、結構多いw

あと、牽かせる列車のバリエーションとしてヨ3500や14系寝台車、他にも10系寝台車や軽量客車など設計済み車両を作成してはどうかなど、手を付けるとたくさんありますね。しかも、ほとんど仕掛かりというw

まあ、ひっかかりもありましたが、イベント開催という期限があったことで、ある程度計画を立てて進めることができたことが収穫ではありましたし、なにより楽しんで作成できました。EF62よ、ありがとう。

オマケ

電気機関車や電車を作ろうとすると、どうしてもパンタグラフの確保から逃れることができません。今回はEF66のを使うつもりで合わず、EF65のを使いましたが、パンタグラフを取られた車両のボディは、失敗を恐れずに塗り替えなんかでバリエーションを作る、ロクハンショーティのEF66下枠交差パンタグラフを使った車両を作る、といった手があります。

シャーシが残れば、パンタグラフが要らない車両を作れば良さそうです。てことで、EF65のパンタグラフを外すために分解した際に、近くになんか転がってたので…

なんかいけそうですね~。車長もほとんど同じですし、幅はスッポリいけますんで、下回りなんちゃってで遊べるかも♪

残念!室内長が足らず、入ってくれません。しかしこれはシャーシを削るかボディに逃げを切れば、これまでの悩みが吹っ飛んで、遊べるものが一つ増えそうです。

実際は車輪径や軸距離なんかも違いますし、なにより腰の高さが違うので、こだわりがあれば無理かも知れませんが、モノが出ていない今、レイアウトで遊ぶならアリでしょうね。車両作ってて思うんですが、イベントでレイアウトに乗せれば、「鉄道模型は鉄道を楽しむもんだなあ」という気がします。

私のように風景付きレイアウトを持たないと、車両ばかりに目が行って、細かい部分が気になりまくるのは仕方ないですね。今回のEF62でギアボックスの設計をすることになりそうなので、このDF50もEF65のシャーシがうまく収まれば、設計済みの台車にショーティ用動力シャーシのパーツを組み合わせたギアボックス設計の糸口が見つかるかも知れません。

うむ、挑戦あるのみです。

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