峠越え物語【第3話】EF63僚機EF62に登る

モノとしてはEF63と一緒に記事も作成しましたが、このEF62、ボディの設計はEF63予約開始に刺激されて概ね済んでいました。私の中ではEF63とくればEF62で、なんといっても3軸台車が魅力的。

いつかはZゲージでと狙ってた機関車でもあるのですが、やはり独特の下回りが悩みどころ。しかし、ボディはどうしても出してみたくなりましたし、近く開催のOsakaZdayに間に合わせる目標を立てて挑んでみました。

設計準備

前作ED75と違って、動力部はロクハン製品をそのまま使用するつもりですので、製品の下回りの幅と縮尺で求めた車両の幅によりボディの厚みは決まってしまいます。反りが出るか出ないかは作ってみないと分からないので、悩まずに設計していきます。

これまた、下回りに何を使うかですが、台車との間の距離と車輪の距離から、EF66を使うことにしました。早速EF66をバラし、ノギスをあちこち当てて寸法を取っていきます。

ネタ車に試験塗装機を選んだ理由は特になく、ネットショップで一番お安かったのでこれを選びました。分解は簡単で、ボディとシャーシの間に精密ドライバーのマイナスを突っ込むと上下は離れます。

台車は金属のピンを外すと取れてくれます、が、このピンで止まってる6ミリほどのギアが一緒に外れますので、無くさないように要注意です。車輪は台車の集電板と車輪の端にマイナスドライバーを差し込んでいくと外れてくれます。

ノギスは安物ですが、採寸は1/10mmで取れればいいので、測った部分をノートにどんどん書いていきます。設計する部分に関係ないと思える部分も測っておくと、後で他の寸法を割り出すのに重宝しますので、メモしていきます。

ノートには、できればパーツ毎に絵を描いていきます。設計はデジタルですが、事前作業はアナログだらけですな。

ノートは百均で大したことないのですが方眼で、記録用のペンは2Bの芯を入れたシャープペンシルを愛用しています。滑りがよく付きがいいので、書き漏らしがありません。

絵は自分が分かりゃいいんです。ちなみに上の絵は無責任ながら間違ってる可能性大なので、こんなもんだということでご理解を。しかし、ノギスでと書いておきながら、定規を当てた写真ばかりですなw

製品を使う場合は、ノギス必須です。写真を撮るのに手が一本足らないので、ご容赦を。こりゃ助手がいるな(大きな冗談)。

ボディ設計

EF62のボディの魅力は、途中から台車に沿うように下がってデザインされた部分と、側面の多くの面積を占めるルーバーです。こういう細かい部分はアクリル造形でも難しく、細かく作ると造形されず、粗目に作ると悪目立ちするという、非常に設計とみかけのバランスが難しい部分です。

今回ルーバーの寸法は、DF50やED75で苦しんだ部分を活かしたものになります。面積が大きく、また、ルーバー部分が薄くなるので、薄い部分の面積が広くなると反りやすくなることも考えながら設計する必要がありました。

まずは3Dcadながら、正面、横、屋根と平面図を引いてから取りかかります。この辺は縮尺モデルなので、デジタルコンテンツをモデリングするとのは手順が違ってきます。

以前はのっけから形を作ったりしていましたが、今はまず紙の資料から寸法を拾い、平面図を引いてから作図していきます。この利点は、写真を重ね合わせたりして印象を見ながら作図できることですか。

資料には鉄道ファンなんかの形式図をA3なんかに印刷して使ってますが、図面を重ねてトレースすることは、まずやりません。理由は、形式図は必ずしも正確な絵になっていない場合があるからです。

模型の場合は、最終的な形にしてから受ける印象が大切と思っているのと、再現できる形状に限界があるので、図面どおりだとディテールが目立たなかったりするためです。ただし、形式図に書かれている寸法は、可能な限り大切にしていきます。

あ、語る部分が多くなってきました。設計に戻りましょうか。

3Dプリントの設計では、前々から気にしている、いや、誰もが気になる反りや造形方向を考えながら設計していきました。コツ的には、同じ厚みにすることと、薄くする方向で攻めていかないことです。

前面では手すり、Hゴムなど細い部分は、高さが幅を超えないようにデザインしていきます。ライトの抜き穴などは、半ばイチかバチかの部分もあります。

アクリル造形の場合は0.1mm厚まで造形してくれますが、どうしてもの場合に限ることにして、余裕を加味しながら設計します。この点は造形を依頼しているShapewaysにこれまで図面を送った中でも、サポートから何度か怒られた部分です。

内容は、「最小の厚みは可能ということであり、全てこの厚みでできるとは考えないでください」ということです。確かに薄い部分と厚い部分のバランスが悪いとかなりの確率で反ります。

てことで、屋根機器も他の部分に合わせて裏側の抜き(「肉抜き」と日本のサイトでは言われる)をしておきます。

下回りの設計

下回りは、EF66のものを使いますが、台車は設計しないといけません。これは採寸したものを見ながら、まずは車輪の間隔、台車を止めているピンからの位置を決め、そこにパーツを肉付けする感じで進めます。

平面は台車のフレームやパーツが付く位置の目印になるものを書いておきます。それに細かなパーツを合わせて設計していきます。

3D作図の中段にあるブレーキ関係、サスペンション関係は、全て別々のパーツで設計し、あとで合体します。合体w

3Dで作図する場合、重なりは図形をマージすると一体になってくれます。平面で細かい部分を設計すると、どうしても重なり部分を避ける設計をしがちですが、パーツはパーツで設計すると、位置合わせも楽ですし、全体のバランスをみて、「よし、これならいける!」と思ったところで合体すればいいわけです。

アセンブリやサブアセンブリと呼びますが、3Dcadでは合体せずにパーツがバラバラのままでグループ化する機能もありますので、グループを1つのパーツとしておくのも良いと思います。私は、3Dプリント用のデータを作成する手順にマイルールがありますので1パーツとしていますが、本当は良い方法ではないと思っています。

大切なのは、パーツ毎に設計し、組み合わせると良いてことですか。少しはしきいが下がったかな?

造形

そんなこんなで設計の話が続きましたが、造形です。私は3Dプリンタを持たないので、Shapewaysに依頼しています。

まあ、本当は欲しいんですがねえ、3Dプリンタ。しょっちゅう書いててなんなんですが、光造形はZゲージに厳しそうなんですよ、てか、私の設計が合わない内容になってるんだと思います。

ちょっと細かい部分が出ない。Shapewaysの光造形を試してもみたんですけど、ガイドラインどおり、寸法が小さい部分は出ないw

現在アクリル造形のみでいってますが、いつか変えなきゃいけない日がくるかもですね、DMMmakeさんの件もあったし。

と、ぼやきはいいとして、造形されたものです。まずは、ボディ。

相変わらずまっちろけですが、毛羽立ちも少なく、細かい部分も出ています。サイドの目立つ縦線は、もふもふです。上部のFRP窓部分がボディ側面より出っ張ってるので、サポート材が付いた跡です。

このもふもふは、プライマーサーフェサーを吹き付けてペーパーで整えていく部分になります。この処理が面倒なので、FRP窓は別パーツでも良いかも。

次に下回りです。

一層わけがわかりませんね。しかもボケてるw

とりあえず、ブレーキロッドなども出ています。床下機器ですが、ここはちと設計途中のままでした。

中間台車の出っ張りにはめ込むつもりだったのですが、くびれがないため引っ掛かりません。しまったー。

まるで引っ掛かりそうにないので、組付けは接着になるかもですな、自業自得ですな。

下地処理など

もふもふと共にワックス除去のため、下地処理に移ります。もう慣れちゃってなんてことない作業にはなりましたが、手はかかります。

いずれも洗浄が済み、プライマーサーフェサーを捨て吹きした状態です。

歯ブラシとコンパウンド磨きで、小さな毛羽立ちはある程度取れますが、造形自体でスジが付いた部分はペーパーがけです。

台車と下回りの下地仕上げは、相当ウデとツールと視力がないと難しいので、状態を見たうえで再度プライマーサーフェサーを吹き、塗装に移りました。下回りは塗装の他にEF66下回りとの組付けが待っていますので、作業に取り掛かるため早めに塗装を済ませておきます。

さて、記事が長くなってきましたが、峠道としてみればまだ半ばといったところですか。塗装や仕上げが残っていますので、続きは次回に譲ります。

今回のおまとめ

製品の下回りを使うので、ED75と比べて随分早く設計があがったけど、製品に合わせてあちこち採寸する必要があるので、一度採寸したものはデータとして整理した方がいいかも。特に機関車は色々作れそうなので、今後のためとして。

(独り言)ブログ自体について、下地仕上げや重なる手順はどこかにまとめ、そこそこ写真で、EF63紹介記事くらいのボリュームの記事がいいみたい。今回は製品利用てことで記事が長めだけど、最近冗長な気もするし、なにより設計の時間がなくなってるわ。

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