車両狂想曲第1番「キハ58系」【第24楽章】マスキング治具とボディ再設計

造形の次には塗装が待っていますので、少しでも作業を確実かつ簡単に行うための治具を設計しましたが、その際ボディに改修すべき点が見つかったので、ボディの再設計を行いました。

Zゲージ自作車両の難関

キハ58も、いよいよリリースを具体的に考えていますが、Zゲージ自作車両の難物中の難物といえば、ズバリ塗装です。まあ、塗装自体は慣れが解決してくれますが、問題はマスキングになります。

これまでキハ58をご覧いただいた方はご存じとは思いますが、ちょいと悲惨な面構えや、塗分けの失敗など…、「これでも頑張っているんですぅ!」とここで言ってみたりしますが、結果がモノ言ってないんですな。これまでに塗ってきたものは、ブログ内を検索していただければご覧いただけますが、吹込みは腕のうちとしても、幅が違ったり真っすぐなっていなかったりと、そりゃあ苦労するもんです。

塗分け不ぞろいの例

これは多分最初に全形式塗り上げた時のものです。最初だったので頑張った分乱れは少なめですが、裾周りの帯の高さは残念なものがあります。

走らせりゃ、まあ気にならんような気もしますが、乗務員ドア前のRのついた部分なんかは普通に気になります。最近は試作ばっかで気合入れて塗ってませんが、毎回ドアの窓や票差しなんかを目印に直線を出すのは、一日かかります。

果たしてメーカーさんはどうしているのかと、Youtubeで海外メーカーの動画を見てみると、マスキングはテープ等によらず、金属製の治具を使用しているようです。塗装治具なんて呼ばれるようですが、塗装治具でネットを検索すると、いろいろ出てきますね。

これらは板金屋さんが手づくりで丁寧に仕上げたり、高度な機械加工を行ったりと、お金も期間もかかるようです。塗装治具は何度も使用するので、やはり金属に分があるようで、それ以外を考えるのであれば、水性塗料にシリコン製塗装治具という手もあるでしょうけど、どちらも敷居が高すぎます。

お手軽かつ綺麗に仕上げるには、手持ちのマスキングテープを使うこと、直線を出すこと、同じ車種は同じ寸法に仕上げること、これらが満足できれば趣味の範囲内に収まるんではないかと思います。考えるに、マスキングそのものではなく、マスキングするためのガイドとなる治具、表題にしたもののそんな呼び方はあるかどうか知りませんが、「マスキング治具」なんぞを使えばなんとかなりそうです。

マスキング治具をラフ設計

てことで、塗分けに曲線が入ったキハ58用に、設計することにしてみました。塗分け線はなかなか資料がないのですが、以前購入した「抄録 鉄道図面集(あー、買っちゃった)」なるものに資料が載っていたので、早速寸法出し、ささっと引いてみました。

むむむ、どう形にするかが考えどころですが、かなり楽ができうまくいきそうです。ドア部ではなく、車体の裾から寸法を出してみたのですが、拡大してよくよく見てみると…

あちこちよろしくない部分が露呈して参りました。どおりで窓周りのマスキング悩むワケだわwww

なんて、一人関心している場合ではなく、乗務員窓や乗務員ドア窓、車体の靴擦り位置なんかも少しまずいようで、前期全タイプ設計を修正しました。ついでに窓下の傾斜がついている部分も以前から気になっていたので、修正しました。

下回りの検証も済んでいるので、ボディ周り最後の修正になると思います。違いの一部を見てみましょうか。

新旧比較

新旧比較画像は、新旧の設計を重ねたものですが、グレイになっている部分が見直した個所になります。給水口も形状、大きさ、位置を見直しました。

うーん、少ししんどかったかも。でも、甲斐があって欲しいですね。

マスキング治具設計完了

マスキング治具は、前期のキハ58及びキハ28、キロ28について作成しました。キハ58で、位置決めの具合を見てみます。

いい感じになりそうです。この治具に沿ってマスキングテープを貼っていけば、少なくとも大失敗は免れるでしょう、たぶん。

続いてキロ28です。

ドア窓が上過ぎるように見えますが、これは治具に遊びがあるためで、実際にはもう少し上にきます。この穴の直径は0.25mmで、ここに目を頼りにマスキングするのはしんどい作業でしたので、マスキングが捗ると思います。

あと、キロ28の外気取り入れ部分も形状を見直しています。アクリル造形だから、きっと大丈夫でしょう、うん。

治具組付けの工夫

治具はカバーするだけでは役に立ちませんので、窓や凹みに組付け、マスキングが終わるまで動かないでいて欲しいものです。そこで、ボディ裾については、床下を取り付ける部分に固定できるようにし、前面については、前面窓にはめ込む形状にしました。

ボディ側面も当然必要ですので、ボディに傷をつけないように遊びを調整した形状にしました。

なんとかこれで、悩まず毎回同じ場所にマスキングできそうです。この治具ですが、特に前面は上下を間違えそうな形状ですので、外側になる面に、上側が分かりやすいように、マークを彫り込みました。

前面マスキング治具

ひょうきんな面持ちですねwww まるで、どこかの路面電車のキャラクターのようですな。

がしかし、これで塗装一連の作業が確実にできるようになれば、かなり工作が身近になると思います。自作はなかなか大変ですが、少しでも模型作りに手を染める方が増えると嬉しいですね。

ちなみに、このマスキング治具は、本体とは別に購入できるようにしたいと考えています。塗装で手持ちのバリエーションを増やしていくのも、模型の大切な楽しみ方ですし。

この治具も試作により検証しますが、うまくいけば、今開発中のDF50やラインの入った客車についても同様に設計することを考えています。これから発注し、最終的な試作になるように取り組むことにします。

さて、塗装が乗り越えられれば、次はインレタやロゴですね。機材はひと通り揃えてみているので、楽しみです。

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