車両狂想曲第3番「オハ12系」【第10楽章】仕上げレビュウと再設計

前回に引き続きオハ12系の仕上げについて、ロクハン製ショーティ用シャーシを使った足回りをメインにした作業と、組あがりのレビュウを踏まえた再設計のポイントを記事にしました。

下回りの組立て

ボディ塗装の乾燥を待つ間に、台車とカプラーの準備をします。シャーシの塗装が終わった後に行いました。

ボディ塗装までの前回記事
車両狂想曲第3番「オハ12系」【第9楽章】悩みの青20号

まずは、準備です。

オハ12系は、ロクハン製のショーティ用トレーラーシャーシ(以下、「ショーティシャーシ」。)の部品を使用しますので、今回は3両分と、小型ドライバーを準備します。ショーティシャーシは、車輪、集電板、カプラーを使用します。

造形した台車とカプラーポケットは、スプルー部分を切り離します。切り離した部分の荒れが気になるようでしたら、ヤスリをかけて仕上げておきます。

カプラーの取り外しと組付け

ショーティシャーシのカプラーは、ちょっと力を入れて引くと抜くことができますので、取り外しておきます。取り外したカプラーは、造形したカプラーポケットにはめ込みます。

パチリとはめ込むのは、少し力が要ります。ショーティシャーシのカプラーポケットも同様なのですが、コツみたいなもんですか。

カプラーの先端の割れ目とカプラーポケット内の円柱の位置を合わせ、じわっと力を入れながらはめ込んでいきます。力の入れ加減がありますので、不安があればショーティシャーシのカプラーポケットと何度か付けたり外したりして練習してから組付けると安心かも。

カプラーがカプラーポケットに無事収まったら、シャーシにはめ込みました。ショーティシャーシの台車と違って、復元用のバネ的なものはありませんので、何も連結していないと左右に振れ、ちょっとだらしない感じw

台車の組立てと取付け

台車の組立てですが、最初にショーティシャーシから台車を外し、台車を分解します。

台車の分解は、車輪を外してると勝手にばらける感じで分解できます。台車を止めているネジは、組立てた台車をシャーシに取り付ける時に使用しますので、無くさないように取っておきます。

次に台車を組み立てていきます。

集電板の凹みにあわせて、車輪の車軸を入れていきます。台車はかなり遊びを見込んでいますので、無理なく組立てられました。

台車が組みあがったら、塗装済みシャーシに組付け、ショーティシャーシと台車を取り付けていたネジで取り付けます。シャーシ側はネジ山を切っているわけではなく、ネジといってますがビスなので、締め過ぎは禁物です。

締め過ぎるとシャーシ側の穴をなめてしますので、一旦止まったらそこで完了です。

このカプラーポケットですが、止まり具合がちょっと心許ない感じです。連結自体は大丈夫ですが、ボディを被せないと外れてしまう構造です。

うまく働いてくれればいいですね。

ボディと合体!

ボディを被せて、下回りをチェックしてみます。

と、ここで高さの原因が分かりました。カプラーポケットが上向きになってしまっていることと、前回高かった原因をシャーシに反映できていないためでした。

前回から設計を修正していたつもりが、修正前の状態で造形を発注してしまったようです。あと、カプラーポケットはシャーシ側の爪の位置の関係で上を向いているようです。

試作ですので、修正分のシャーシ差分を台車側で削り、カプラーポケットの爪を削ったうえで組み直します。窓ガラスも仕上がっているので、組付けたうえで再度高さをチェックします。

今度は良いようです。プリモロコのモデルと比較すると、0.2ミリ位でしょうか高めの印象です。

これは下回りとの嵌り具合もあるようで、遊びを少し調整してボディを下げてみたいと思います。とここで気になったのが、折戸のHゴムの高さです。

実物写真と組んだものを比べてみると、なんだか高めな感じ。ここはもう少し下げることにします。

ボディの高さはなんとか良いようですが、

全体の印象について

組み上げたものを、今一度手に取って見てみます。

貫通幌のシルバーを入れていない段階ではありますが、なーんかオハ12系に見えない感じがしますね。よくよく観察してみると、屋根のカーブがちょっとおかしいか?

プリモロコと並べた写真を見ると、樋の位置も高いようで、形式図を改めて見てみると、屋根の肩の曲線半径が小さいような感じです。図面はないので情報をあれこれ調べていたら、半径と直径をどうも間違っていたようで、1ミリほど小さい設計にしていました。

12系の屋根のもわっとした感じが見て取れないのはこれが原因のようです。肩の曲線が小さいため、雨樋の位置も上がった位置になったというワケですね。

前回は色の違いがあまりにも気になったため見落としていたのでしょう。試作は大切ですな。

さて、ここで改めて設計内容と実物写真を比べてみると、トイレや行先表示の窓高さが少し高めであることも分かりましたので、ボディはかなり再設計をする必要があります。シャーシも再設計確定ですし、また試作に時間がかかりますか。

今回はうまく行くと思ったのになあ、ちくちょー。

テスト走行

まあ、遠目で見る分には色も付いてますし、下回り合体記念というか、テスト走行してみました。3両じゃあちょっと寂しいですが、テスト用レイアウトにはなんだかちょうどいいかな、という長さです。

手持ちのDD51と繋げてテスト走行してみました。

台車はショーティシャーシの部品使っていますし、カプラーの高さも合っているので、走りは快調です。しかしちょっと気になるのは連結面間です。

 ちょいと広すぎやしませんかい?

これはショーティシャーシに付いてるカプラーを使用していることから、仕方ないところではあります。この製品にはロングタイプが使われているので、気になればショートタイプを使用すればいいとは思いますが、せっかく付いているのですから使わない手はありませんしね。

このカプラーポケットですが、前述のとおり復元用のバネとなるものが付いていないため、自然解放する場面がありました。詳しくはカプラー改善のトピックであげることになりますが、機関車との間で起こっています。

お手軽な解決策は、機関車との連結部分にナックルカプラーを使用するというものです。試しに交換して走らせましたが、これは結構乱暴な運転をしても自然解放することはありませんでした。

反面、オハ12との間で自然解放は見られませんでしたので、不思議です。試作として自前カプラーポケットを造形してみましたが、キハ65のように、ショーティシャーシの台車についてるものを使用する試作もしてみようと思います。

設計変更について

今回の試作を元に、実は変更分の設計も済ませています。

なにせ元が小さいため、ほぼほぼ違いが分かりにくい内容にはなりますが、屋根カーブは1ミリ違うのでかなり印象は変わると思います。他にも折戸ドアのHゴム位置、行先表示やトイレ洗面所の窓位置など、0.1ミリほど位置を修正しますが、これらは単体では気にならないようで混結した場合になんとなくイヤンな部分になりますので修正です。

あと、シャーシは台車受けを修正する他に、カプラーポケットもショーティシャーシのものを使う変更をしました。まあ、うまくなければ戻せばいいと考えています、試作ですしネ。

と、このような感じでオハ12系も形になりつつありますが、優先順位はまだ高くないので、気長に眺めていただければと思います。

さて、気分も変わったところで急行気動車の公開準備、続投です。

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