Zゲージ キハ58 Shapeways造形方法別レビュウ【後編】
前回(Zゲージ キハ58 Shapeways造形方法別レビュウ【前編】)に引き続き、造形方法別のレビュウです。
光造形(SLAグレイレジン)
期待に胸アツの光造形です。早速見てみます。
まずは前面部分です。
前面は、なんだかすっきりしています、てか、すっきりし過ぎていますね。なんだか無くなってるトコあるw
窓の上下にサポート除去跡が見えますが、出っ張りはいいものの、欠けたように見える部分があります。まあ、自分がやってもこんなもんなんで、仕上げればいいかってな感じではありますが。
しかし、側面は少し悲しいかも。ぱっと見、下半身が後ろに引っ張られてるー(悲)
DMMmakeの造形でもそうでしたが、厚みが少し薄くなっている部分があるので、ここが上半身の重量に引っ張られて歪みが発生したようです。光造形むつかしーっ!
この部分は、動力や床下の設計に直接響く部分なので、厚みを増すのが少し難しい部分になります。ボディ全体を厚くすることも検討しましたが、今度は窓部分が厚くなるため、窓ガラスを透明パーツでなんとかしないといけないジレンマがあります。
曲面と直線に挟まれた部分の難しさ、てとこでしょうか。裾の曲がりこみは緩いですし、なおさらの難しさがあります。
続いて屋根いってみます。
屋根 木目調
あららら、これは残念です。クーラーの凸凹が無くなっていますし、屋根とベンチレーターは、木目を生かした仕上がりになって…欲しくないですな。しかもなんだか見覚えがある仕上がり…。
そうだ、ナイロン造形w
薄い部分はすっ飛んで、目立つ部分が大げさに出るのが、ナイロン造形とそっくりです。造形のスライサーのせいなのか、機器の特性によるものか分かりませんが、ねえ。
クーラーの網も途中までしか造形されず、細部や曲面が不得手なようです。続いて、他のも見てみます。
排気口… サポート跡
水タンクの造形は、上面が飛んでいます。排気口もどっかいってますね。
サポート跡も仕上げが難しい部分ということを考えると、少し我慢ができる場所にはなります。ここは水平に仕上げることが大きさ的に難しいので、この程度であれば許容しないといけませんか。
続いて、キロの水切り部分です。ここは仕上げが難しいだろうなあ、とか以前言ってた部分ですね。
おお、潔く無くなってますな。クーラーも側面が上面に回り込んでいますし、蛍光灯カバーは雛壇仕様になっています。
これまで、うーん、な仕上がりでしたが、クリアレジンを見ていきます。キハ65の透明だったやつにプラサフを吹いたものです。
前面 サイド サッシの仕上がり
グレーレジンよりもかなり良い印象です。ドアは相変わらず引っ張られてますが、屋根は少しマシな感じ。クーラーは同じ設計内容ですが、あまり飛んでませんし、窓のサッシ部分が綺麗に出ています。
しかし、票差しや外気取り入れ口は横方向が造形されていませんね。ここは0.2mm幅で、ガイドラインは0.3mm以上となっていましたから、他の部分も含め、ガイドラインを厳しく守る必要があるようです。
アクリル造形
まずは、ノーマルの造形から見てみます。
前面 横 水タンク
うーん、まずまず設計内容は消えていません。造形の積層痕も、仕上げでなんとかなる内容です。
前面が少し形が歪んでいる感じです。てか、プラサフここだけ吹きすぎているようですよ > Poly
水タンクもクーラーも、造形がややこしいベンチレーター、排気口もうまく造形されています。これならなんとか仕上げていけそうです。
今下回りも含めた試作は、このノーマルなアクリル造形を使用しています。普通に遊ぶには、満足できる内容です。
次にFinest見てみます。
前面 横 水タンク
おお、なかなか綺麗な造形内容です。ドアの端や窓の一部に少し毛羽立ちが見られますが、不都合な部分は少ないですね。
窓やドアなど、直線も綺麗で、申し分ありません。積層痕の出方にムラがあるようですが、仕上げていける範囲ですし、じっくり眺めるならこちらですか。
それぞれと比較
ということで、それぞれの造形を比較していきます。
アクリルFinest vs 光造形 アクリルFinest vs アクリルノーマル
光造形がすっきりしてるのは、ディテールが飛んでしまっているからでした。手すりやHゴム、票差しやライトケースの縁、全て造形の範囲外ということで無くなってしまっています。
光造形の肌は確かに綺麗ですが、アクリルFinestより少し良い感じのレベルです。いずれにせよこのあとざっと磨きをかけますので、同程度の仕上がりが期待できます。
次に、アクリル同士の比較ですが、ノーマルでは少し形に破綻があります。屋根などの大まかな部分はどっこいどっこいですが、細かい部分の造形度は、精度を含めて明らかに違ってきます。
キハ58系は、グリーン車を除いて運転席がありますので、この前面の違いは大きなものがありますね。DMMmakeも依然のアクリル造形で、Xtreamというのがありましたが、値段が鬼高で手が出せませんでしたが、Shapewaysに造形を依頼するのであれば、全然ありな内容と価格差です。
てことで、もう少しアクリル造形と光造形の比較をしてみます。
上が光造形 右が光造形
目立つように光を当てていますが、確かに光造形は肌が綺麗ですね。あとの感想は、ご覧になっているとおりですので、割愛します。
他の部分(アクリル造形ノーマル)
ボディはいろいろとこだわりもありますので、厳しいところですが、他の部分について造形具合を見てみます。
キハ28 キハ58 キハ65
全てアクリル造形のノーマルですが、いやもう大きさからいって、これ以上こだわっても、という感じです。次に台車も見てみます。
もう、大きさから言って言うことはありません。寸法もしっかり出ています。今後組付けで内容が良ければ、このままリリースです。
あ、私の指のサフが剥げとるw
レビュウ概観
まとめとして、光造形は専用設計をするなり、使っていくにはもう少し工夫が必要です。私にはまだ課題が多いと考えられます。
これまで数十両のキハ58を作ってきましたが、近く公開ということであれば、ボディはアクリルの高精細、下回りはアクリルのノーマルというところでいきたいと思います。キハ58系のリリースについては、引き続きキハ58系のシリーズで記事を公開していきます。
いや、光は難しい。