車両狂想曲第3番「オハ12系」【第9楽章】悩みの青20号
課題が多く、長らく放置が続いていたオハ12系ですが、解決の目途が見えてきましたので、試作要素を多く取り入れながら再度試作しました。今回はとっても悩んだ青20号と塗装について記事にしました。
これまでの課題
まあ、放置には色々と理由がある訳でして、解決しないといけない課題が多いこともその一つです。これまで試作してきた中で、私がオハ12系に対して課題としてきたことは、以下の内容です。
- サッシ窓の造形をどうするか
- カプラーの改善
- クリーム帯の改善
- 色のせいもあるかもだが、なんだかオハ12系に見えない
サッシ窓とカプラーについては、それぞれトピックを立てて検討してきましたが、キハ58系の試作の中で窓ガラスは見えてきました。走りに影響があるカプラーは、キハ58ではショーティ用シャーシをそのまま使うことで逃げまくってきたわけですが(正直にいうw)、キハ65や後期タイプでどうしても必要なので、ED75やDF50等のかなりハードルの高いもので試作を重ね、なんとか見えてきました。
クリーム帯は、これまたキハ58系で塗分けマスキング用治具である程度の結果が出せたことで応用できそうです。しかし、これらの課題を超えてやる気を大きくそいできたのは色でした。
新系列客車の方々共通の悩み、「青20号問題」
数ある鉄道カラーの中からジェイズ製品を基本にボディを塗ってきているのですが、エアブラシ不在の中でファブレの塗料が供給されなくなり、ある程度信頼のおけるものとしてジェイズを使用してきたわけですが、12系にブルトレブルーを塗ってみるとかなり暗い。私の中では若々しいイメージを持つ12系が、なんだか重々しい感じです。
下地の仕上げが足らんのか、下地の色が暗いのか、はたまた小さい物グレー化現象で暗く見えるのかと悩むことしきり。塗料を疑うまで随分時間がかかりましたが、再度試作を行うにあたりネットで情報を集めたところ、ハズレ色であることがなんとなく分かってきましたので、今回試作のメイン課題として取り組んでみることにしました。
スプレーカラーからの選択
エアブラシ用には良い塗料も出ていますし調色も可能ですが、手持ちにお道具がないので、市販スプレーから選んでいくことにします。あ、「とっととエアブラシ買え」てなツッコミは自分に百万回していますので、これ以上責めないでおくんなまし。
てえことで、早速手持ちのスプレーであれこれ試してみました。塗装してみたもの同士ではなく、混結の機会がありそうなプリモロコとロクハン製品を並べてみてみます。
なお、色比べ用の車両として、随分前に試作したナイロン造形のオハネ14系にご登壇願いました。
他にもコバルトブルーなんか持ってますが、これは明らかに色味が違うので割愛。最終的な候補としてタミヤのキャラクターブルーとインディブルーを比較してみました。
やはり色は比べると違いがはっきりしますね。最終的にタミヤのキャラクターブルーを塗ることにしましたが、各色の印象を少し。
ジェイズは遠くない気もしますが、赤みが足らない感じがします。夜のブルートレインにはもってこいかな?冷たい青って感じですね(イメージです)。
インディブルーは、色単体としては悪くない気もします。経年後色あせてきた車両が、夏の緑をバックにした感じですかね(これまたイメージです)。
てことで、キャラクターブルーに決めましたが、決め手はもう一つありました。今回ナイロン造形に塗ってみたので、下地の関係上全てつや消しに見えますが、インディブルーはつや有、キャラクターブルーは半つや消しです。
最終的には好みの問題になるとは思いますが、前述のとおり12系は明るくフレッシュなイメージを持っているので、これでいきます。まあ、賛否あるかも。
ちなみに、ガイアカラーから素晴らしい色が出ているようで、入手のしやすさは分かりませんが、いつか使ってみたいものです。
ワックス除去と下地
色も決まりましたので、早速届いたものを塗装していきます。今回も超音波洗浄機、お湯50℃、中性洗剤1滴で5分を2回後水洗いしました。
毎度ですが、Shapewaysワックス多めの納品だったため、超音波洗浄機だけでは取り切れませんでしたので、クレオスの薄め液で洗浄しました。毎回洗浄時間に悩むところですが、数分程度がよろしいとの情報を得たので、ビニール袋で2分間、振りながら洗浄したところ、気になるところは落ちてくれたようです。
あとは細かいところに残っているものを落とすことと、細かい毛羽立ちをある程度除くために、電動歯ブラシでコンパウンド磨きをしてプラサフ吹き、ペーパーがけを行い、下地を整えました。
塗装1回目とマスキング
下地が整ったところで、1回目の塗装です。セオリー通りに薄い色からということで、クリーム色を吹きました。塗料はGM鉄道カラーのアイボリーAです。
2回吹き付け、乾燥後、マスキングに移ります。相変わらず難儀ですが、今回はキハ58に引き続き、マスキングガイドを造形しましたので、こいつで作業です。
とその前に、マスキングテープの切り出しを行います。
マスキングガイド カット準備
使用するデザインナイフは以前の塗装の際に使用したデザインナイフ2枚刃挟みの、自前スペシャルツールです。刃の厚みを利用したもので、先っぽを揃えることができれば、十分使い物になります。
使用した以前の記事へのリンクを貼っておきます。
これを使用した残念なクリーム色帯の記事
車両狂想曲第3番「オハ12系」【第8楽章】クリーム帯に苦戦
クリーム色の帯は上と下で幅が違いますので、2種類用意しています。
0.42ミリくらい 0.26ミリくらい
切り方にちょっとコツが必要で、油断すると横に流れていきがちなので、まずは下に押さえ、定規をガイドにしていけばうまく切り出すことができます。で、マスキングガイドを使用して、まずは上のラインを貼り、続いて下のラインを貼っていきます。
上貼りまーす 下貼ってまーす
マスキングを終えたところで、早速お楽しみの青!といきたいところですが、ここでいきなりいくと失敗の可能性が高いのでした。それは「吹き込み」です。
以前の失敗した記事はこちらです。
車両狂想曲第3番「オハ12系」【第3楽章】上回り塗装、そして失敗
これはものすごく凹んだので、その後マスキングテープはタミヤ!しっかり貼る!などの心構えにより現在に至りますが、今回もやるわけにはいかないので、秘策を実行してみました。
マスキング後にもう一度地色を塗る
ということをやってみました。どこにも書かれていない気はしましたが、
マスキング後にクリアを吹いておく
という記事を見かけたことがあり、なるほどとは思ったものの、クリアは何かと気難しく、艶を合わせたりと自信がないことが多いので、地色いってみました。マスキングテープに吹き込んだ部分の艶を気にするのであれば、璧なマスキングということになりますが、細かな部分でもあり、クリアを吹いても艶の違いは出ますので、まあお好みってことになりますか。
下回りの塗装
ボディを仕上げている間に、シャーシと台車等を塗装しました。こちらは超音波洗浄後に薄め液洗浄を終わらせた後にそのままプラサフを吹き付け、塗装しました。
スハフの下回り 台車
グレーの部分は、GM鉄道カラースプレーのねずみ1号を、黒い部分は、タミヤスプレーのセミグロスブラックです。ボディの造形とは違い、こちらはFinestではないのですが、いい感じの造形になってますね。
ついでにボディ塗装完了後に備えて、窓ガラスも仕上げておきました。窓ガラスの記事は最近のものですが、以下のリンクです。
窓ガラスの仕上げ記事
窓ガラス挑戦倶楽部【8枚目】正解発見!?ユニット窓仕上げてみた
さて、ボディ塗装に移りましょうか。
ボディ塗装
2度目のクリーム色が乾燥したところで、青を乗せます。
マスキング剥がしたところ 前回と比較
色的には満足できました。クリーム帯は前回よりもマシですが、多少の乱れがあります。
これまで塗装を行ってきて感じたのは、マスキングテープが細い場合は、難易度が上がるということです。クリームを後乗せした時にとてもいい感じがしたのは、マスキングテープの幅により、直線が出ていたからでしょう。
この部分ですが、以前DF50の際に試した秘策があります。少し難易度は上がりますが、スジボリ堂のスジボリガイドをマスキングに使用するというものです。
これは直線がバッチリ決まるのですが、スジボリガイドは透明なため、しっかり貼り付けるとどこに貼ってるかが確認しづらく、位置決めが難しいものになります。また、コーナーに貼ると吹込みが発生しがちなので貼り付け具合に注意が必要です。
これは、客車に使用するとなると一つ二つではないため、相当ストレスが溜まりそうです。しかし、今回マスキング用ガイド治具を作っていますので、この点は少し解消しそうです。
さて、記事が長くなってきましたので、別記事に続きます。