カプラー改善計画【16号車】DF50とロクハンカプラー
スカートと干渉したロクハンショーティ用動力シャーシのカプラーポケットですが、設計の見直しと同時に、既存ロクハンカプラー用の新たなカプラーポケットを設計しました。造形発注済みカプラーの状況も合わせて記録。
DF50の課題
DF50に限らない話なのですが、台車中心から車端までの距離が比較的短い車両はカプラーの位置に悩むことになります。まあ、台車マウントのままでデザインが許せばいいのですが、機関車となると必ず先頭に立ちますし、Zゲージほどの小さなものとなると、カプラーポケットもボディに対して大ぶりになるため、あれこれ考えることになります。
今設計の仕上げに入っているDF50もご多分に漏れず、いい感じの位置にカプラーポケットが来てしまうため、設計当初からかなり悩んだ部分になります。さらに動力をロクハンショーティ用動力シャーシ(以下、「動力シャーシ」。)に依存していますので、動力シャーシをなるべくイジらない方向から設計することも必要になります。
これまで検討してきた内容を見てみます。
「オリジナル」としているのは、動力シャーシのまま使用することを図面におとしてみたものです。カプラー部分のみでなく、カプラーポケット部分も大きくスカートに当たってしまうので、かなり削る羽目になります。
てことで、「ケーディー」です。私はケーディーカプラーと呼んでますが、最近はマグネティックカプラーと表示される場合も多く、正式にはケーディー社のマグネティックカプラーというのでしょうけど、今回はケーディーカプラーと呼びます。
話を戻しますが、ケーディーカプラーはケースもそれなりに大きさがあり、ケースはすんなりと収まってくれそうにはありません。メルクリンミニクラブ用に中身だけのキットがあったり、組立てキットから必要な部分を使用する手もありますが、いやこれが私には部品が小さくて根性出ませんわw
また、ケーディーカプラーは割と高価で入手も少し難しいので、今回は見送ることにしました。そのうち気が向いたら考えてみるかもしれませんが、満足に検証できないのは困りますので、またの機会ってことで。
そして3枚目のポケット流用ですが、前回(カプラー改善計画【15号車】テストは大惨事)でも挑戦している、動力シャーシの台車にひっついているカプラーポケットを切り離して使う作戦と同様の方法です。これも台車との当たり寸法に余裕がなく、無理に収めるとカプラーポケットがスカートから大きく出てしまい、ちょっと機関車としてはどうかなって感じです。
カプラーポケットが目立つ点では見栄えも「オリジナル」と同じ感じですし、動力ユニット側にカプラーポケットを抱きこむための加工も要りそうなので、これやるならオリジナルの台車マウントでいく方が走りも安全です。おまけに前回大惨事となったカプラーは、現在再度試作していますがもう少し検証が必要です。
少し長くなってきましたが、とりあえず現在の方法でカプラーの当たりを避けるために手っ取り早いのは、スカートの当たる部分をカットすることです。ただ、これ以上横方向にカットするとスカート無くなっちまうので、裏側を削っていきます。
スカートカット ウィークポイント
写真を見るに「大丈夫なん?」と気になる絵ですが、これは動力ユニット側の台車の遊びを考慮したためで、この時点でこれだけ余裕があれば大丈夫(なハズ)です。まあ、これでもいいような気がしますし試作もしますが、写真の丸囲みの部分がウィークポイントとして、大嫌いな「反り」が出そうな個所になります。
射出成型でもインクジェットでも光造形でも一緒なのですが、厚みが変化する部分が反りの原因となる場合があります。これまでの経験から、斜めになっている部分は比較的反りが出にくい(出ないとはいっていない)ので今回の設計でもそんな感じではありますが、傾斜が緩いと影響出そうなんで、試作後にチェックてとこですかね。
と、目先の対応は行うとして、検証のたびにどんどんスカートが短くなっちゃって困りますし、大好きな山陰タイプの大きなスノウプロウもあきらめたままなので、他の方法も検討してみました。大きな問題は、動力ユニット側の対応です。
ボディを途中でぶった切って眺めていると、ボディとの隙間を発見。
上部から 下面から
これはいけそうではないのか、いや、ここを使ってなんとかしなければならない。てことで、このスキマを使ってカプラーポケットを考えてみます。
新カプラーポケットの設計
新カプラーポケットは、動力ユニット側の動力台車側出っ張りに引っ掛けるように設計してみました。これまでこの出っ張りは、そのままだとボディに当たるので容赦なく切り取っていましたが、少し長さを詰めればボディに収まるので、そこを利用することにします。
カプラーポケット受け EF65用 新カプラーポケット
まずは受けの部分を設計し、実際のカプラーポケットはEF65の1000番台をバラしたときに採寸したデータがありましたので、さっそく設計上はめ込んでみて、ボディと台車に当たらない、新カプラーポケットを設計しました。
動力ユニット側はこれでいいのですが、集電台車側も設計しなければいけません。別々に設計するのは面倒ですし、カプラーポケットのカプラーを嵌めるピン的なものが折れた場合を想定して、動力ユニット側と集電台車側で共通のものを使用するようシャーシも再設計しました。
集電台車側 山陰タイプスカート部 ボディとの状況
1枚目の写真では再設計の部分のみオレンジで表示していますが、この部分を既存のシャーシ部分と入れ替えます。ついでにカプラーポケットの部分に無理やり山陰タイプのおっきなスノウプロウを組付けたものも設計しました。
動力ユニット側もそうですが、ぶった切ったボディと組み合わせてみて干渉がないことを設計上で確認し、これで試作いってみたいと思います。
完成予想図
新カプラーポケットを他のパーツの表示をさせたうえで感じを見ていきます。
少しはカプラー出すぎかなあ?とは思いましたが、EF65と同じ範囲、いやむしろ寸法上ではありますが短めに収まりました。なんだかナックルカプラーよりもアーノルドカプラーの方が違和感が無いように見えるのは、私の気のせいでしょうかw
まあ、形にしてみないとなんとも言えなくもないのですが、製品並みの見栄えになってくれりゃいいかもです。ちょっと長くはありますが、動力シャーシのカプラーもそのまま使えて、少し経済的です。
IMTカプラーも考えたのですが、カプラー自体の検証がまだまだです。ロクハンのカプラーは入手もしやすく、このカプラポケットはその気になればロクハンの欧州型カプラーも使えるので、メルクリンとも連結できるようになります。
こいつでオリエント急行引っ張るなんてロマンもありますな。模型ですからそんな妄想もたまにはよろし、です。
ついでに山陰タイプのものもボディと合わせてみました。
おお、感じは出ているかな。とにかく無いよりマシだw
こいつも試作することにしよう。
Shapewaysの状況
前回の失敗を踏まえてShapewaysに造形依頼しているカプラーの作成状況を見てみます。
無事に造形が完了し、Shippingに移ったようです。光造形は10日ほどかかりました。
事故がなければ、だいたい1週間程度で届いてきますので楽しみです。届いたら届いたで検証の嵐に突入しますが、届くまでには発注を済ませたいと思います。
別記事にはなりますが、キハ58も再設計しましたので、そちらと一緒になるかもしれません。
余談ですが設計の話
まあ、カプラーだけに限らないのですが、これまで動力シャーシやEF65、キハ52、DE10とバラシまくったデータが、手元のノートや3D設計にたまってきています。今回のカプラーポケット設計にあたり、これらのデータは随分助かりました。
しかし、あちこち探しまくりながら設計するのも本格的に難儀になってきたので、梅雨のどこかでデータをまとめてアップすることを本気で考えてきています。こんなのはやる気があるときに一気にやっつけた方がいいので、整理に入っています。
さらに余談
今回から画像のサイズを変えてみました。これまでのはiphoneのメールソフトに任せていて、携帯で見るのには程よいサイズでしたが、PCで見るとなんだか少し小さい気がしましたので、最適化のつもりです。何か意見がありましたら、ってメールも敷居が高いですね。コメントもログインしろとか言ってきますし。
Twitterもたまにしかアップしていないので、掲示板か何か考えますか。
てな感じで余談が多かったのですが、これにて16号車満席です。次回もお楽しみに。